社史

レコーディングエンジニア熊田好容が第44回グラミー賞受賞

熊田に贈られたトロフィーと受賞アルバム『No Substitutions 〜 Live in Osaka』熊田に贈られたトロフィーと受賞アルバム『No Substitutions 〜 Live in Osaka』

 世界の音楽関連業界における最高の栄誉、「グラミー賞」。コンサート音響の世界で発展してきたヒビノから、ついにグラミーウィナーが誕生した。
 ヒビノのレコーディングエンジニア、熊田好容が録音を担当したラリー・カールトン&スティーヴ・ルカサーのライブアルバム『No Substitutions 〜 Live in Osaka』が、2002(平成14)年2月に開催された、第44回グラミー賞の最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞したのだ。
 グラミー賞の受賞対象者は、アーティストやアルバムプロデューサーだけでなく、レコーディング、ミキシング、マスタリングの各エンジニアにも及ぶ。熊田のもとには、グラミー賞を主催する全米レコーディング芸術科学アカデミー(NARAS)より、蓄音機(グラモフォン)をかたどったトロフィーが届けられた。
 同アルバムは、ジャズ・フュージョン界のスーパーギタリスト、ラリー・カールトンと、TOTOのメンバーとしても知られるロック界のスーパーギタリスト、スティーヴ・ルカサーによるライブセッションを収録したものである。師弟関係にある二人のツインギターによるテクニカルかつパワフルな演奏が、日本で実現したということで、世界のギターフリークの間でも大きな話題になった。
 熊田は過去に何度かカールトンと仕事をした経験があり、カールトンとルカサーを担当しているマネージャーとも親しかった。そのマネージャーから「大阪でのライブを収録したいので来てほしい」と直接指名を受けたのである。熊田は勇躍、録音中継車ODYSSEY(オデッセイ)とともに大阪に向かった。
 1998年11月、場所はブルーノート大阪(当時)。会場前の道路に駐車許可をとっていたものの、念のため前日入りしてみると、なんとそこには付近の道路工事用と思われる砂利が山積みになっていた。親切な店のマネージャーがスコップを調達してくれ、二人で汗だくになりながら砂利を移動したという。歴史的な録音が実現した陰にはこうしたハプニングもあった。
 熊田は、二人の超一流アーティストがお互いにリスペクトし合い、またサポートクルーとも深い信頼関係が結ばれている様子に、心を打たれたという。そして二人の火の出るようなギターバトルは、臨場感あふれるクリアな音質で録音され、2001年にライブアルバム化された。
 本格的なライブレコーディングに対応するODYSSEYを導入してから約10年。グラミー賞受賞は、ヒビノ全社員にとって誇らしいニュースであった。

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※ここに掲載した情報は、2015年2月発行の「ゴールなき頂を求めて 挑戦こそが我らの誇り ヒビノ株式会社50年史」より転載したものです。この記事の無断引用、無断転載を固く禁じます。

第4章 転換期 1994〜2003

第4の柱を求めて

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