社史

組織の選択と集中──ジャスダック上場を果たす

ジャスダック新規上場セレモニー。役員集合(東京証券会館)ジャスダック新規上場セレモニー。役員集合(東京証券会館)

 会長となった日比野宏明の創業当初からの目標は、売上高1,000億円の実現と、株式上場にあった。
 AVCC(オーディオ・ビジュアル・コンピューター&コミュニケーション)の事業方針のもと、音響から映像、ITへと事業を多角化することで経営規模を拡大し、同時に懸案となってきた先行投資への資金調達をスムーズに行う意味でも、上場は必要な手段であった。
 最初の上場機会は、映像サービス事業が大きく成長した1990(平成2)年に訪れた。しかしバブルの崩壊で上場の目安としていた経常利益2億円を1991年度に達成できず断念した。
 二度目の挑戦は1995年から始まったが、アストロビジョンなど大型映像機器への巨額投資が財務を圧迫し、長野冬季オリンピック後の1998年度は業績が伸び悩んだことに加え、株式価格の下落傾向等の外部要因もあり再び断念を余儀なくされていた。
 2000年以降、ヒビノは音響機器販売、コンサート音響、イベント映像の3本柱を基幹事業として、クロマテック社への資本参加に始まるLEDディスプレイ・システムの開発・製造を4番目の柱に据え、さらにIT、イベントプロデュース、人材派遣などの新規事業を加えたさらなる多角化を進めた。一方で、上場を目指すためには、投資効率と成長性を見越した経営合理化を図る必要があった。
 2004年1月、ウェストレイクスタジオを閉鎖し、ポストプロダクション業務から撤退。さらにIT事業への起爆剤として日比野晃久自らが社長を務めた子会社「ヒビノドットコム株式会社」を、2004年7月に吸収合併して、IT及びイベントプロデュース事業はヒビノが継承することとなった。
 2005年4月の組織改編では、これまで細分化されていた事業部を「音響×販売」「映像×販売」「音響×サービス」「映像×サービス」「新規事業」という5つにまとめる以下の変更を行った。
・音響機器販売を行うヒビノAVCセールス Div.は、ヒビノプロオーディオセールス Div.に名称を変更するとともに、港区港南(現在の本社所在地の隣地)に移転。
・常設映像・音響機器のシステム設計・販売・保守を行うヒビノSI Div.を、映像製品の開発・製造・販売を行うヒビノクロマテック Div.に統合。
・ライブレコーディングの専門チームは、ポストプロダクション業務の撤退に伴いヒビノレコーディング Div.という独立した組織で業務を続けていたが、これをヒビノサウンド Div.に統合。
・ヒビノドットコムから引き継いだIT、イベントプロデュース及び人材派遣の新規3事業をヒビノプロデュース Div.に統合(その後、IT事業は2007年1月に撤退)。
 こうした上場に向けての組織や業務の整理統合を経て、2004年度の連結業績は売上高133億3,500万円(前期比14.8%増)、経常利益7億6,300万円(前期比132.9%増)と、過去最高の実績(当時)を示した。そして2006(平成18)年2月2日、ヒビノはジャスダック証券取引所(現 東京証券取引所 JASDAQ〈スタンダード〉)に株式上場を果たした。

ジャスダック新規上場セレモニー 日比野宏明会長(左)と日比野晃久社長(東京証券会館)ジャスダック新規上場セレモニー。日比野宏明会長(左)と日比野晃久社長(東京証券会館)

 デジタル化の波によって、ヒビノがカバーする領域はいっそうの拡大が期待されており、今後のヒビノの方向性は、音と映像の事業を基軸とした「プロ用AV&ITのトータル・ソリューション」を提供することであるとした。

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※ここに掲載した情報は、2015年2月発行の「ゴールなき頂を求めて 挑戦こそが我らの誇り ヒビノ株式会社50年史」より転載したものです。この記事の無断引用、無断転載を固く禁じます。

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