定在波 読み: ていざいは 英語:Standing wave
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用語解説
音が反射する空間では、直接波に反射波の干渉がおこるため、リスニングポイントによって、特定の周波数帯域の音圧が増加するポイント(音波の振幅が大きくなってしまう部分)と、音波が打ち消しあって音圧が減少するポイント(音波の振幅が小さくなってしまう部分)が出現する。このような空間的な振幅の分布を定在波という。
干渉が大きいと、音が濁って聴こえたり、原音を正確に聴取できない可能性がある。定在波は、狭い部屋や、平行に向かい合う面(壁・床・天井など)がある空間で発生しやすい。波長が長い低音域では特に問題となり、ブーミングの原因ともなる。部屋の設計時の工夫や、壁の吸音性を高めるといった対策をとることで、定在波の発生を低減できるため、レコーディングスタジオなどでは、綺麗な四角形の部屋は少ない。
理論上、定在波が起こる周波数は、「音速」を「部屋の面と面の距離の2倍」で割った数の整数倍である。例えば、部屋の壁と壁の距離が5m、音速を340m/sとすると、340÷(5×2)=34Hz。この部屋で定在波がおこる周波数は34Hzと、その整数倍の68Hz、102Hz、136Hz、171Hz・・・・・などとなる。
なお、障害物が存在せず音の反射がおこらない自由空間では、定在波の問題はおこらない。