社史

車載型大型映像表示装置「アストロビジョン」導入

車載型アストロビジョン2、3、4号車車載型アストロビジョン2、3、4号車

 松下通信工業が、放電管方式の大型ディスプレイをトラック(トレーラー)に組み込むことで移動を可能にする車載型大型映像表示装置「アストロビジョン」を開発すると、ヒビノは1989(平成元)年10月、当時世界最大級321インチのアストロビジョンを3台導入し、AVCシステム事業部でレンタル及びオペレート業務をスタートした。
 プロジェクターやプロジェクションキューブは投影式の表示装置で、日中屋外での使用には向かなかったが、アストロビジョンは自発光式で、アウトドアで使用できる唯一の大型映像として、単発のイベント会場などでのレンタル利用が見込めた。
 AVCシステム事業部は、“動く大型ビジョンカー”であるアストロビジョンを、モータースポーツや陸上競技といったスポーツイベント、また公営競技や各種式典、大規模コンサートなどで運用することで、徐々にレンタル実績を上げていった。

衛星受信システム搭載。アストロビジョン5号車衛星受信システム搭載。アストロビジョン5号車

 1990年8月には、衛星受信システムを搭載した新型アストロビジョンを1台追加導入。260インチの大画面は、高輝度5,000ニットで従来よりもさらに明るく鮮明なものとなり、衛星ネットワークによって遠隔地の映像情報をリアルタイムに提供できるというクオリティの高さを誇った。
 ただし、アストロビジョンは車載型ゆえの限界もあった。本体重量(車両含む)は20tにも達し、床面の強度が重量に耐えられる場所でないと設置できず、また車載型のため搬入路が確保できない会場も多かった。さらに、画面の位置が低すぎて見づらいという問題もあった。1台平均4億円もの高額投資を回収するのは容易でなく、採算ベースに乗せるには困難を伴ったが、1993年10月には、画面を高さ2.2mまでリフトアップでき、また電源車も不要なトレーラー型新モデルを導入するなど、課題をクリアしていった。

画面のリフトアップが可能なトレーラー型のアストロビジョン6号車画面のリフトアップが可能なトレーラー型のアストロビジョン6号車

 業界に先駆けて導入したアストロビジョンの運用ノウハウや映像技術の蓄積は、のちのLEDディスプレイ・システムにつながる布石となった。

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※ここに掲載した情報は、2015年2月発行の「ゴールなき頂を求めて 挑戦こそが我らの誇り ヒビノ株式会社50年史」より転載したものです。この記事の無断引用、無断転載を固く禁じます。

第3章 拡大期 1984〜1993

音と映像のプレゼンテーター誕生

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