DAT 読み: だっと 英語:DAT
規格用語解説
Digital Audio Tapeの略。ダットと呼ばれる。1987年に発売された、デジタル録音・再生機器。PCM方式でデジタル化した音を、回転ヘッドで磁気テープに記録する。
テープは、幅3.81mm、カセット式でサイズは73×54×10.5mmと比較的小さい。標準モードでは、チャンネル数2ch、サンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビット、テープ速度8.15mm/s、ドラム回転数2,000rpmで録音・再生する。
優れた性能と高音を持つことから、CDのデジタルコピーなど著作権の問題が危惧され、発売に待ったがかかり、民生用にはCDと同じサンプリング周波数44.1kHzでのデジタル入力が出来ない機器が発売されるなどしたが、SCMSの採用によって解決された。
高い音質やコンパクトな形状、標準モードで2時間という長時間の録音や、正確な頭出しが可能といった利便性などから、オーディオマニアの間に普及した。民生用としてはオーバースペックとも言える性能と音質が評価され、業務用としても幅広く普及した。
1992年のMD発売や、その後のデジタルオーディオプレイヤー登場によって民生機市場での需要は縮小したが、音質を求めるユーザーの間や、業務用・プロ用として利用された。しかしながら、DAWの登場と普及によって、2000年代中頃からHDDレコーディングシステム等への代替が進み、マスター機器としての利用は少なくなった。