イノベーション創出のDNAと「I Project」の誕生
ヒビノの歴史は、挑戦の歴史そのものでした。では、そのDNAの本質とは何なのか。そしてなぜ今、改めてI Projectという仕組みが必要だったのでしょうか。
日比野 「I Projectを始めた理由を一言で表すなら「原点回帰」です。私たちの歴史を貫くDNAとは、経営理念に掲げる「創造と革新」の精神そのものです。その根底には、「やるからには、その世界で一番になる」、「お客様の期待を超える」という強い意思があります。これらの精神こそが、私たちの価値創造の原点です。
音響の事業も映像の事業も、小規模からのスタートでした。しかし「業界トップになるぞ」という感覚が皆にあって、がむしゃらにチャレンジしたからこそ、オンリーワン、ナンバーワンへと成長したのです。「他に負けない音を出そう」、「まだ誰も見たことのない映像を」と最高の一心を貫き、必要な機材が世の中になければ自分たちで開発までしました。
私が日本で初めてコンサートに大型映像演出を持ち込んだときもそうでした。「コンサートは聴くものだ」とまったく相手にされなくても、「映像はコンサートの価値を何倍にもする。必ず映像の時代がくる」という信念を貫き、夢中で突き進んだ結果、今では「当たり前」の文化になっています。
しかし、企業規模が大きくなるにつれ、この熱い精神は未来へ受け継がれていくのだろうかという危機感を覚えました。だからこそ、私たちは原点に立ち返る必要があったのです。
イノベーションは、あくまで結果です。ヒビノグループが目指すイノベーションとは、「最高の音」と「最高の映像」のあくなき追求から生み出される、新たな価値の創造に他なりません。それが、まだ誰も知らない感動や、音と映像の新しいコミュニケーションの形をつくりだしていきます。I Projectは、最高に挑み続けるヒビノのDNAを未来へと継承し、体系化するための私の挑戦です」





