コロナ危機に際し、従業員が安心して健康に働くことのできる環境を守るという当たり前のことがどれだけ大切かということを、改めて強く認識することになりました。経営トップである私に課せられた使命は、従業員の健康と生活を守り抜くことです。事業継続と収益改善のための危機対応を優先しながら、ウィズコロナ及びアフターコロナの世界を見据えた変革も同時に進めていかなければなりません。
まずは、コロナ問題が長期化した場合を想定し、事業継続のための資金確保が必要と考えました。結果、金融機関からの借入やコミットメントラインの拡大により、2年分の必要運転資金を確保するに至っています。
次に取り組んだのは、収益改善に向けたコスト改革です。トップダウンで削減を決断したコスト、活動が制限される中で削減されたコストを合わせ、第2四半期(累計)で約12億円のコスト削減を断行しました。期初の段階では当期の削減目標額を15億円と設定していましたが、第2四半期までの成果を踏まえ、目標額を20億円に修正しています。引き続き、すべての費用を見直し、削減額の積み上げに取り組みます。
一方で、事業拠点集約に係る投資、イノベーション活動への投資など、将来に向けた成長の芽は大切に育てていき、メリハリある経費コントロールを実行していく考えです。
2020年9月、当社事業部及びグループ会社6社は、これまで複数拠点に分散していた事業所を集約し、グループ横断的な事業運営とそれによるシナジーを実現すべく、東京都港区海岸の新事業所に移転、営業を開始しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大以降、当社グループでは、2019年から準備していたリモートワークを一斉に導入しました。しかしながら、コンサートやイベントがそうであるように、人が集まって何かをするというのは人間の根源的欲求であり、リアルの存在意義はこれからもずっと残ると考えています。ウィズコロナの新しいワークスタイルとして、在宅勤務とオフィス勤務を並行するハイブリッド型の働き方が定着してきた今だからこそ、従業員が集まり、組織を実感できる場であるオフィスに価値を見出したいと考えています。
通期の連結業績については、第3四半期以降も厳しい経営環境に変わりはありませんが、コンサート・イベントは再開に向けた動きも見られることから、赤字幅の拡大を抑えられると見込んでおります。