中期経営計画1年目の成果としては、戦略事業として位置づける「バーチャルプロダクション」及び「騒音対策」の事業を前に進めることができました。
当社は、インカメラVFX技術を活用したバーチャルプロダクション事業を2021年7月に開始し、テレビドラマやCM、ミュージックビデオ制作等で実績を重ねてきました。国内では先行して技術とノウハウの蓄積を図ってきたことで、今日ではこの分野におけるトップランナーとなっています。既存事業で培ったコンサート・イベントにおける大型映像サービスの知見は、バーチャルプロダクション事業においても、LEDディスプレイの扱い方、システム構築、設置と撤去を繰り返す仮設での運用技術やエンジニアのチームワーク等さまざまな面で活きており、他社にはない優位性となっています。
インカメラVFX技術を活用するメリットは、「撮影の効率化」「ポストプロダクション編集の負荷軽減」「大規模なスタジオセットをLEDディスプレイに置き換えることによる廃棄資材の削減」等であり、それは働き方改革や環境保全といったSDGs時代の要請に応えるものです。当社が東北新社、電通クリエーティブX、電通クリエーティブキューブ及びオムニバス・ジャパンとともに進める共同プロジェクト「メタバース プロダクション」での活動を通じて、今後、さらにこの技術のメリットが周知されていくことでしょう。
当社グループが有する音や振動、建築音響に関する技術もまた、時代の要請に応えて「騒音対策」等の領域で注目を集めるようになりました。特に近年は、デジタルインフラ整備の一環として全国各地で建設が進むデータセンターに対する騒音対策・電磁波セキュリティニーズが高まりを見せています。2026年3月期までに騒音対策事業の売上高を50億円にするという目標を新たに掲げています。
バーチャルプロダクション及び騒音対策は、市場の拡大が見込め、自社の保有技術を活用できる事業であり、収益の柱となるよう育てていきます。