当社グループの原点には、創業以来の経営理念である「創造と革新」があります。音楽とものづくりへの強い思いを原動力に、技術によって人を驚かせ、喜ばせ、感動を生み出してきたことが、ヒビノの出発点です。その後も、時代の一歩先を見据え、音響から映像へ、販売からサービスへと事業を広げながら、新たな領域に挑戦してきました。当社グループの歩みは、まさに「創造と革新」の連続であり、パーパスである「音と映像で、世界に感動をクリエイトする」にもつながっています。2026年6月からはCEO・COO体制のもと、創業以来受け継いできた精神を未来へつなぎ、持続的な成長と企業価値の向上を実現していきます。
代表メッセージ
「創造と革新」をこれからの経営へ
ヒビノグループを一段大きく、強くした「ビジョン2025」
2026年3月期は、前中期経営計画「ビジョン2025」の最終年度として、売上高及びすべての利益が過去最高を更新し、3期連続の増収増益となりました。M&Aにより連結対象となった国内外子会社の寄与が増収に貢献しました。加えて、コンサート・イベントサービス事業において、コンサート市場の活況や大阪・関西万博、ジャパンモビリティショーなどの大型イベント需要を捉え、グループ全体の利益を大きく押し上げました。
この4年間で、当社グループは、自律的成長とM&Aを両輪に事業規模を拡大し、同時に収益性と財務健全性を高めることができました。
計画期間中に6件、21社のM&Aを実施し、国内外の事業基盤を強化しました。また、長崎スタジアムシティや大阪・関西万博などの大規模プロジェクトにおいて、グループ総合力を発揮しました。売上高は2022年3月期比25,177百万円増加し、事業規模は1.6倍に拡大しました。
グローバル展開では、オーストラリア及びシンガポールでのM&Aを通じて、アジア・オセアニア地域における販売施工事業の展開を加速させました。海外売上高は2022年3月期比6,807百万円増加し、12,033百万円(海外売上高比率17.8%)となりました。また、新規事業として、オフィス家具・オフィス空間分野及び映像制作分野に参入し、グループの事業ポートフォリオを広げました。
利益面では、収益性の改善が進み、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも計画を上回り、過去最高を更新しました。自己資本比率も31.6%となり、目標としていた30%の水準を達成しています。
「Beyond 1000」に込めた、世界へ進む意志
この4年間で得た成果を踏まえ、2027年3月期から2029年3月期までの3ヵ年を対象とする新中期経営計画「Beyond 1000」をスタートしました。2029年3月期に売上高1,000億円、海外売上高比率30%、経常利益70億円を目標に掲げています。「Beyond 1000」という名称には、1,000億円を一つの節目とし、その先にある「世界のヒビノへ」に向けて歩みを進める意志を込めています。これまで築いてきた事業基盤をさらに強くし、事業領域と地域展開を広げることで、世界で存在感を発揮できるAV&ITグループへ進化させていきます。
「Beyond 1000」を支える考え方が、「健全経営2.0」です。事業の成長によって利益を生み、その成果を成長投資、株主還元、人材への投資と従業員への還元へ振り向ける。成長力と収益力、財務の安定、人的資本を一つの流れとして循環させることで、持続的な成長を支える経営基盤をさらに強くしていきます。
成長戦略としては、ハニカム型経営をさらに進化させます。M&Aも活用しながら、ナンバーワン、オンリーワンの製品・商品・サービスを持つ事業の集合体を形成し、特定の事業や市場に依存しない事業ポートフォリオを構築します。同時に、各事業が持つ専門性を組み合わせることで、グループ全体の価値を高めていきます。
2027年3月期は、「Beyond 1000」の初年度として、売上高750億円を計画しています。株式会社アセント、株式会社フォトロン企画、ソノーラテクノロジー株式会社の新規連結に加え、Spectrum Audio Visual社の通期連結が寄与し、増収を見込んでいます。一方で、2026年3月期に集中した大型案件の剥落により、コンサート・イベントサービス事業の反動減を織り込み、利益面では減益を計画しています。大型案件の有無により年度ごとの業績変動が生じる事業特性はありますが、中期的には、グループ連携による受注活動を強化し、売上高1,000億円に向けて継続的に案件を創出できる体制を整えていきます。
資本市場に向けては、資本コストや株価を意識した経営を、「健全経営2.0」と一体で進めていきます。その一環として、株主還元については、安定配当を基本としながら、利益成長に応じた配当水準の向上を図っていきます。2026年3月期は、期末配当金を1株当たり45円とし、中間配当金40円と合わせて、年間配当金は1株当たり85円としました。2027年3月期は、中間配当金を1株当たり45円、期末配当金を1株当たり22円50銭とする予定です。なお、期末配当金は、2026年10月1日付で予定している普通株式1株につき2株の株式分割後の金額です。株式分割を考慮しない場合、年間配当金は1株当たり90円となり、2026年3月期比5円の実質増配となります。
世界から選ばれるグループへ
1,000億円の先に見据えるのは、より大きな仕事に挑み、業界初・オンリーワンの価値を生み出し続ける姿です。ヒビノだからできる仕事を積み重ね、音と映像の可能性をさらに広げることで、世界から選ばれる存在となり、株主・投資家の皆様のご期待に応えてまいります。今後とも、温かいご支援をお願い申し上げます。
CEO・COO体制で「Beyond 1000」の実行力を高める
2026年6月、代表取締役社長(COO)に就任しました。中期経営計画「Beyond 1000」がスタートする節目に、経営を担う責任の重さを感じています。私はこれまで、副社長として現会長のもとで経営に携わり、その経営姿勢を間近で見てきました。会長は、常に高い目標を掲げることで、従来の延長線上にとどまらない発想を引き出しながら、重要な判断においては、一歩引いて見極める姿勢を大切にしてきました。私は社長COOとして、会長CEOが示すグループ経営の方向性を、具体的な戦略と執行につなげていきます。今回の体制変更は、CEOとCOOの役割をより明確にし、「Beyond 1000」の実行力を高めるためのものです。
もう一つ、会長が一貫して大切にしてきたと感じているのが、人を大切にする姿勢です。会長は、現場で働く一人ひとりの意見を尊重し、その声を意思決定に活かしてきました。コロナ禍のように先行きが見えない局面においても、社員を守ることを経営の中心に置いてきました。中期経営方針の「健全経営2.0」とは、利益を上げ、財務体質を強化することにとどまりません。その成果で社員に報い、次の挑戦に向かう力に変えていく。健全経営は、人を大切にする経営だと受け止めています。
好きなことを仕事にできる、稀有で面白い会社
当社グループの魅力は、音や映像に関わる仕事を、自ら追求したいものとして夢中になって向き合い、細部までこだわり抜く人たちがいることです。好きなことを仕事にしている人たちが集まる、稀有で面白い会社だと感じています。こうした社員一人ひとりの自主性が、ヒビノらしさであり、現場の強さの源泉です。
一方で、その力をグループ全体の価値に変えきれていないことは、当社グループの課題であり、成長余地でもあります。専門性やノウハウを横につなぎ、企画・設計段階から一体で提案できる形へ高めていく。個々の現場・各社の力を、グループの総合力に変えていくことが、社長COOとして取り組むべき重要なテーマです。
総合力を、継続的に生み出せる体制へ
「世界のヒビノへ」という目指す姿に向けて、当社グループは、国内の既存事業領域をさらに強くし、海外ではアジア・オセアニアを起点に展開を広げていく段階にあります。国内では、音響・映像を中心とする主要な既存事業領域すべてで業界トップポジションを追求します。そのなかで重点的に育てるのが、映像機器販売、システムエンジニアリング、そして建築音響施工に含まれる騒音対策分野です。これらは、グループ一体の提案力を高めるうえで重要な領域です。
長崎スタジアムシティや大阪・関西万博などの大規模プロジェクトでは、複数の事業領域を横断し、グループの総合力を発揮することができました。この総合力を特別な成功例にとどめず、継続的に生み出せる体制へと進化させます。企画・設計段階から関わり、音響・映像・照明・制御・ネットワークを組み合わせる提案力を高め、国内の大型案件はもちろん、アジア・オセアニアを起点としたグローバル展開にもつなげていきます。
これまで築いてきた経営の軸をもとに、ヒビノらしさを守り、現場の力をグループの総合力へ変えていく。健全経営の循環をさらに強めながら「Beyond 1000」を実行し、当社グループの持続的成長と企業価値の向上につなげていきます。
当社グループの概要や経営方針、業績等をわかりやすく説明しています。