PIXELHUE 4Kプレゼンテーションスイッチャー「Q8」(中央) LEDパネルの規模がここまで大きくなると、制御システム側にも従来案件とは異なる高い処理能力が求められる。今回のトヨタブースでは、同時に扱う映像信号の上限を4K×10ソースとする構成を前提に、演出内容に応じてトータルでは4K×40ソースを切り替えながら運用する必要があった。こうした条件を満たしつつ、安定した運用を実現できるスイッチャーが求められていた。
そこで採用されたのが、PIXELHUEの「Q8」 である。
萩原氏 「Q8を最初に知ったのは、3年ほど前にスペインの展示会を視察したときでした。当時はまだ開発途中という印象でしたが、ここ1~2年で一気に実用レベルになってきていて、今回の規模にも対応できると判断しました」
日野氏 「今回の構成では、キャンバスとして同時に扱う信号は4K×10ソースという前提になりますが、演出やプレスデーでの対応などを含めると、全体としては4K×40ソースを想定していました。その中から状況に応じて必要なソースを切り替えながら運用する構成です。これだけの信号をQ8 1台でまとめて扱えることが、現場の安全性という点でも大きかったです。本来なら中規模の機材を複数台リンクさせる構成も考えられますが、トラブル時の切り分けが難しくなるので、できるだけシンプルにしたかった。そういう意味でも、Q8は今回の要件に最も合う選択肢でした」
日野氏 「また、半導体不足の影響で定番機材が揃わなかった時期があり、代わりとなる選択肢を探る必要もありました。”いつもの機材でなくても成立する”という実例を作りたかった、という思いもあります。
技術的に見ても、今回の規模を1台で処理できるスイッチャーはQ8しかありませんでした。入出力の余裕があり、メディアサーバーやライブカメラなど多様な信号をまとめて扱える点が決め手です。
今回のような規模での本格的な現場投入に向けては、事前に万博関連のイベントで同系統の機材を用いた長時間の運用テストを行い、負荷や安定性を細かく確認しました。本番に向けては中国からエンジニアにも来てもらい、1カ月間のサポート体制を敷いていただきました。その過程を通じて、PIXELHUEは現場からの改善要望をフィードバックしやすいメーカーだと実感しました」
PIXELHUEの親会社はNovaStarで、LED制御分野において広く採用実績のあるメーカーグループである。ヒビノグループ内では、PIXELHUEの代理店である株式会社テクノハウスと現場が連携しながらフィードバックを戻す体制があり、その循環が新しい選択肢を育てる基盤になっている。
ヒビノでは、新しい製品であっても自社で検証を重ね、安全に運用できると判断した上で現場に投入する体制を整えている。今回も事前に長時間運用での安定性の確認や、メーカー・代理店を含めたサポート体制を確認し、本番環境での稼働に備えたという。